□□□
□□




懐かしのガンマ団へ


「はぁ〜しかし見れば見るほどすげぇ船っすね」
 鼻血ブースケから墜落死する寸前のところを救ってくれた、マジックの息子グンマの『新型飛行艦』の内部を見渡し、ロッドはなんとも言いがたい笑いを浮かべた。
 中は割と普通だ。ガンマ団でよく使われている飛行艦の内部と大差ない。
「…そういうな。助けてもらっただけありがたいと思わねばな」
 マーカーのいうこともごもっとも。
「中までアヒルの壁紙べったりだったらどうしようかと思ったぜ。意外とまともじゃん」
 しかし、命からがらの帰還がこの船ではあまりさまにならない気もする。
「うぇっ!この船意外と早いよ。あの外観でよくこんなスピードで飛べるよね」
 窓から外を見てロッドは声をあげたロッドに、残りのメンバーの視線が痛いほどに突き刺さる。
「一々うるせーぞ。うちの甥っ子の作った船に文句があんだったら、今ここで下ろしてやっていいんだぜ、ロッド」
 ぐっ…そういやーそうだった。金髪と青い眼以外に共通点を見出すことができないにしても、グンマはハーレムの甥であって…ああ見えてもハーレムは甥っ子たちには優しいということを今更ながらに思い出し、ロッドの口は止まった。
「まあいいじゃねぇか。ちゃんと飛んで、そんでもってガンマ団に帰れるんだからよしとしろい」
「ですね」
「………………」
 要領のよい同僚は相槌でごまかし、もう一人は沈黙でごまかす。

「それにな。グンマはあの高松が手塩にかけて育てたんだ」
 高松という言葉に、三人はツバをのむ。
 そうだった…あの天才と誉が高かったにもかかわらず若い命を散らしたルーザーの後継者と言われていたドクター高松の愛弟子…。そのグンマなら…。
「マッドサイエンティスト二号…いや三号にならなかっただけでもありがたく思え」

 身につまされるほど説得力のある隊長の言葉だった。








□□
□□□